とても貴重な「街の外科医」へ ~ 坊クリニック 坊 英樹院長
「胃カメラは苦しい」、「大腸カメラはもっと大変」というイメージがありますよね。最近は胃カメラ(上部消化管内視鏡)では鼻から細い管を入れる経鼻内視鏡も主流になり、皆さんが怖がる「オエッ」とする感覚なしに検査が終わるとこも多くなっています。
また、検査前に軽い鎮静薬を注射(または点滴)して、「気がついたら検査が終わっていた」という方法をとる先生も増えています。時間もずいぶん短いですよね。
食道がんや胃がん、大腸がんなどの早期発見には、何より「直接観察できる」内視鏡が有効です。ピロリ菌が胃がんの原因になるということも一般にも知られつつありますし、大腸ポリープもある程度小さいうちにとってしまえばそもそもがんにならずにすみます。
今日は内視鏡の専門家でもある坊先生に最近の内視鏡事情を伺ってみました。
【第3回 苦痛の少ない内視鏡検査を提供】
片 山 クリニックの患者さんはどのような層が多いですか?
坊先生 20~40代の方、仕事をされている方が多いですね。ですから、ぱっと診察や検査をして白黒はっきりつけてくださいというケースも少なくありません。皆さん忙しい中受診されるので、かかりつけとして患者さんのニーズに合わせながらも適切な医療を心がけています。
片 山 最初から内視鏡目的という方も多いですか?
坊先生 いらっしゃいますね。クリニックでは大学病院で培ってきた内視鏡検査というスキルを中心に、多くの方のお役にたてればと思っています。でも、僕と同じくらいの年代の方でも「10年前に胃カメラをやったけけど、苦しくて、苦しくて、二度とやりたくない」というように、患者さんの中には内視鏡検査にネガティブなイメージをおもちになっている方もいます。
片 山 内視鏡学会の専門医・指導医でもある先生の腕は確かですし、あまり怖がる必要はないようにも感じますが。
坊先生 管空臓器※1の検査で一番精度が高いのは内視鏡になるので、患者さんにはネガティブなイメージを外して検査を受けていただけるようにしたいですね。
片 山 検査時間もあまりもかかりませんしね。
坊先生 胃カメラなら5分くらい、大腸も10~15分なので、気軽に受けていただきたいです。検査がつらいという方には、セデーション※2もできますから。今日も3人検査を行いましたが、全員セデーションをご希望されました。ただし、高齢の方は呼吸抑制などのリスクがあるため、セデーションは行いません。そういったリスクもしっかり見極めて、患者さん一人ひとりに質の良い医療を提供することが今の私の使命ですね。
※1:食道や胃、小腸、大腸のように、管状、袋状の形態を有する臓器のこと
※2:鎮静のこと。痛みや苦痛を伴う処置の際に鎮静剤を使い苦痛を軽減させる
坊クリニック
【坊 英樹先生略歴】
平成6年 日本医科大学卒業
平成28年まで 日本医科大学武蔵小杉病院消化器病センター勤務
日本外科学会 専門医
日本内視鏡学会 専門医・指導医
日本消化器外科学会 専門医・指導医
日本胃癌学会 代議員
日本食道学会 評議員
日本外科学会
日本消化器外科学会
日本臨床外科学会
日本消化器内視鏡学会
日本消化器病学会
日本癌学会
日本消化器内視鏡外科学会
日本腹部救急学会
日本創傷治癒学会
日本消化器癌発生学会