貴重な「街の外科医」へ~モザイクモール港北 坊クリニック 坊 英樹院長
患者さんにとって、「診療科」選びは意外と難しいものです。例えば乳腺のしこりは婦人科ではなくて乳腺外科などの外科系を受診しなければいけませんし、皮膚の表面からわかる首のしこりは何と耳鼻咽喉科の担当です。
同様に、皮膚のできものや巻き爪は皮膚科でもいいですが、外科の先生が得意としていることも多いのです。しかし、外科を得意とする「街のお医者さん」は思ったより少ないもの。今回はこうした「街の外科医」の中から、私(片山)が以前から親しくさせていただいているモザイクモール港北の坊英樹先生をお訪ねしました。日本医科大学武蔵小杉病院でバリバリの外科医だった坊先生、「街の外科医」に変身された心境はいかがなものでしょうか?楽しみです。
【第1回 開業してからの変化】
片 山 開業されてどれくらいですか?
坊先生 開業が平成29年2月ですから、今年で3年目ですね。
片 山 日本医科大学武蔵小杉病院消化器病センターで研鑽を積まれていた時とは、環境も大きく変わりましたね。
坊先生 おっしゃる通りです。大学病院では外科医でしたから手術が中心の毎日でした。でも、今はメスを置いた人間なので、手術ということはありませんね。また、内視鏡についても多くの臨床を経験しましたが、曜日ごとの当番制だったので、今のように患者さんが来院したらすべて自分で診るというのは大きな違いです。
片 山 もう、外科治療はされないんですか?
坊先生 アテローム※1やひょう疽※2など、ここでできる範囲の外科治療は行っています。
片 山 なるほど。爪はいかがですか? 爪のトラブルはどこで診てもらうか困るという話をよく聞くんですが。
坊先生 やりますよ。「巻爪のコントロールができなくなって」と、来院される方もいますね。
片 山 爪は毎日使うものですし、意外と難しいですよね。外科の先生はあまり開業されていませんし、外科経験のある先生に診てもらえるのは心強いですね。
※1:粉瘤(ふんりゅう)のこと。皮膚腫瘍の一種で、皮膚の下に袋状の構造物ができる
※2:細菌感染症の一種で、手足の傷から細菌が感染して起こる。悪化すると切開が必要になることも
坊クリニック
〇坊英樹先生略歴〇
平成6年 日本医科大学卒業
平成28年まで 日本医科大学武蔵小杉病院消化器病センター勤務
日本外科学会 専門医
日本内視鏡学会 専門医・指導医
日本消化器外科学会 専門医・指導医
日本胃癌学会 代議員
日本食道学会 評議員
日本外科学会
日本消化器外科学会
日本臨床外科学会
日本消化器内視鏡学会
日本消化器病学会
日本癌学会
日本消化器内視鏡外科学会
日本腹部救急学会
日本創傷治癒学会
日本消化器癌発生学会